ごく限られた世界の夜から昼への移動距離を並べて/ホロウ・シカエルボク
くあったのでこの際開き直って歩こうと考えたのだ、一時間半から二時間はかかるだろうなと見当をつけて公園のそばの自動販売機で缶コーヒーを買って飲んだ、とにかく一度家に帰らなければいけない、シャワーを浴びて身体を綺麗にしてのんびりと寝直したかった、人並みの週末にどっぷりと浸かりたかった、すべての物事を円滑に動かすためにどうしても一度家に帰らなければならなかった、口を拭って歩き始めるとすでに太陽の光はその力を存分に発揮し始めていた、今日は怖ろしいくらい暑くなりそうだ、そんな天気予報どこかに出ていたかな、けれどここ最近天気予報を目にした記憶がなかった、それが本当のことなのかそれともなんらかの理由で記憶を無く
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