詩の日めくり 二〇一六年十月一日─三十一日/田中宏輔
うよ
バナナよ
バナナ
バナナなのよねー
バナナの涎なのよ
口から垂れたわ
バナナの涎が
バナナ味の涎なのよ
子供のころ
朝
歯を磨いてるときに
口から垂れたのよ
バナナ味の練り歯磨きの涎が
自分の傷口に溺れて
アップアップ
電話のシャワーを浴びて
シャワーを電話に向ける
新しい電話だと思ってたら
昔の電話だった
電話から離れる
フンフン
それでも返事だけはあって
離れられない
ススメ学問
福澤アナ
きょうカキツバタを太田神社に行って
見てきた
なんてことはなかった
帰りに
アイスコーヒーを飲んだ
ネットカフェに寄ると
犬をつれた婦人が
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