ボロ布のようなマリア/ホロウ・シカエルボク
なのとか、たくさんあるの、その食べ物はあまり臭くならないの、だから食べられたの、でも、大きくなったからね、たくさん食べるようになって…下に降りると川があるの、そこで魚を捕まえたりね、水を飲んだり…」俺は頷いた、女の話し方は五才くらいの感じだった、怖くなかったのか、と俺は訊いた、女は首をぶんぶんと横に振った、「父さんと、母さんの方が、ずっと怖かったから」今度は俺が顔をしかめる番だった、座ろうか、と俺はスタンドの椅子を指さした、うん、と頷いて女は俺についてきた、それで俺たちはスタンドの椅子に座ってのんびりした、いろいろな話をした、名前はマリアだと言った、話しているうちに、俺はこの女になにかしてやりたい
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