クリスマスプレゼント/板谷みきょう
 
けていることを信じて、重い体を引きづるようにしながら、歩き続けました。

けれど、おじいさんの目に映る人たちの、誰ひとりの胸にも、薔薇の花を見つけ出すことができないのです。

おじいさんは、必死になって、誰か薔薇の花を胸に付けていないかと、路地裏や袋小路まで、一日中捜し歩きました。
しかし、あんなに優しくしてくれていた近所の人たちにも、そればかりか町中の誰一人の胸にも、薔薇の花を付けている人を見つけることができないのです。
悲嘆にくれやっとの思いで家に帰ってみると、おじいさんが居なくなったことを知って、心配した近所の人たちが集まってくれていました。
すっかりと疲れ切ったおじいさんの姿
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