クリスマスプレゼント/板谷みきょう
 
ていないのなら、生きる値が無い。」と、思ったからです。
そう。もし一人でも自分を必要としている人が居るのならば、
その人の為に、神さまのご意志に背いてでも、生きようと思ったのです。

おじいさんは、ちょっと神さまを騙すような気がして、罪な気持ちになりましたが、
「明日のクリスマスの日に、私を愛してくれているすべての人々の胸に、私だけに見える薔薇の花を付けて下さい。」と言いました。

次の日の朝早くおじいさんは、そうっと床から抜け出して、誰にも解らないよう、頭から毛布を被って、町中をくまなく歩いてみました。
息が、たちまちあがってしまい、それでも、町中の誰かは、胸元に薔薇の花を付けて
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