クリスマスプレゼント/板谷みきょう
 
ったらかも知れません。
でも、それは、どうすることもできないのです。
近所の貧しい人たちも、一生懸命看病しましたが、雪のちらつくクリスマスイブには、長くても後、一ヶ月の命と言われるまでに、病気は重くなってしまいました。
その日の晩、何も知らないおじいさんの所へ、神さまが来ておっしゃいました。
「お前は夢ばかりを追って生きてきたようだね。夢が叶わなかった代わりに一つだけ願いを叶えてあげよう。」
一瞬、ほんの一瞬、おじいさんは、「この病気を治して欲しい。」と、口にしようとしてふと考えました。
「自分を必要としている人が、この世の中に居るだろうか。」と…
何故なら、「誰も自分を必要としてい
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