詩の日めくり 二〇一六年九月一日─三十一日/田中宏輔
遊ばれ遊び、
この世に出現してこなければならない詩像があるかのように、そのように……
(久保寺 亨「白状/断片」?より引用)
ざあざあ降る雨の中で、
さかさまに、じぶんの名を呼んでみようか、
ラキアラデボク、ラキアラデボク、
いったいそこで何をしている、
ざあざあ降る雨の中で一本の樹木にもたれて、
雨のざあざあ聞きながら、
この世界を全身で読み解くことができないで、
……ラキアラデボク、ラキアラデボク……
(久保寺 亨「白状/断片」?より)
「そもそも哲学は、詩のように作ることしかできない」
とヴィトゲンシュタインは語ったが
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