詩の日めくり 二〇一六年九月一日─三十一日/田中宏輔
魂が胸の内に宿っているなどと考えるのは間違いである。魂は人間の皮膚の外にあって、人間を包み込んでるのである。死は、魂という入れ物が、自分のなかから、人間の身体をはじき出すことである。生誕とは、魂という入れ物が、自分のなかに、人間の身体を取り込むことを言う。
二〇一六年九月十四日 「久保寺 亨さんの詩集『白状/断片』から引用。」
集英社のラテンアメリカ文学全集がすばらしくて、なかでも、フエンテス、サバト、カブレラ=インファンテ、コルターサルからの引用が多いぼくである。すべて学校の図書館で借りて読んだのだけど、あとで欲しいものを買った。いま本棚を見たら、1冊、買い忘れ
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