深い夜の砂漠/ホロウ・シカエルボク
 
頭を空っぽにして歩いた、そうしてどれだけの時が経ったのだろうか、やはり疲れは感じていなかった、興奮や体調のせいではない、そこには何か別の原因があるのだ、これは観念的な世界の中での出来事なのかもしれない、簡単にいうと明晰夢のようなものを見ている状態なのかもしれない、けれど、それはしかし、観念的というフィルターを通してみるとあまりにも死のにおいが立ち込めていた、俺は初めて混乱した、俺自身になにかあったのではないかと不安になったのだ、けれど、ここに来るまでのことは思い出せなかった、だから、その問題は後回しにすることにした、そうしなければなにも片付かないだろう、歩いているうちに、そういえば砂地の上など歩い
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