死作――詩に至る病としての/ただのみきや
 

二連目まで(あるいは二行もしくは2sentenc)
どれほど逃れても何等かの
暗示的意味に帰着しようとしてしまう
まるで実母を嫌って家出した息子が
外の世界で別の母性を求めてさまようように

言葉は等価ではない
だからいつも比喩なのだ
だからこそ端数が残る
こころは素数だ
己(X) そして1(在ってある)以外では割り切れない
己(X)÷己(X)=1(在ってある) 
「わたしが何かは不明であるが、わたしとは一個の
不明なわたしに過ぎない」――だから何だと言うのだ
だが己(X)÷1(在ってある)では
わたしの全ての欲望が神の摂理の中の砂塵へと解体されてしまう

詩で
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