詩の日めくり 二〇一六年六月一日─三十一日/田中宏輔
イレがしたくて
(うんち、ね、笑)
信号が変わった瞬間に渡ったのだけれど
トラックがとまらずに突進してきたのね。
きのう、轢かれてたら
いま時分は、ぼくのお葬式やね。
何度か死にかけたことがあるけど
何度も、か
なかなか、しぶとい、笑。
二〇一六年六月十七日 「こぼれる階段」
唾液の氷柱。
二〇一六年六月十八日 「彼は有名な死体だった。」
真空内臓。
死体モデル。
液化トンネル。
仕事はいくらでもあった。
彼の姿が見かけられない日はなかった。
彼はひとのよく通る道端に寝そべり
ひとのよくいる公園の河川
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