詩の日めくり 二〇一六年五月一日─三十一日/田中宏輔
またまた東寺のブックオフまで
自転車でサラサラっと行ってきました
ナン、俺は
が、やっぱりいい
帰りに聴きながら
京大のエイジくんのことを思い出してた
雪つぶて
雪の夜の
夜中に
アパートの下で
雪を丸めて
たったふたりきりの雪合戦
「俺のこと
たなやんには、そんなふうに見えてるんや」
俳人の木歩の写真を見せて
エイジくんに似てるなあ
って言ったときのこと
関東大震災の
火の
なかを
獅子が吠え
いっせいに丘が傾いたとき
預言者のダニエルは
まっすぐに
ぼくの顔を見据えながら歩いてきた
燃える火の
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