詩の日めくり 二〇一六年五月一日─三十一日/田中宏輔
 
てオーラル・セックスしたとき
口のなかで出されちゃったんだけど
飲むつもりなんてなかったんだけど
そのものすっごい量にむせちゃって
しかも、鼻の奥っていうか
なかにまであふれちゃって
涙が出ちゃった。

ぼくが付き合った子って
おなじ名前の子が何組かいて
詩を書くとき
異なる人物の現実を
ひとつにして描写することがよくあって
ぼくにしか、それってわからないから
読み手には
きっと
ふたりじゃなくて
ひとりの人間になってるんやろうね
ひとりの人間として現われてるんやろうね
まあ
自分でも
まじっちゃうことがあって
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