詩の日めくり 二〇一六年五月一日─三十一日/田中宏輔
 
日知庵から帰った。寝る。

昭夫ちゃんか。


二〇一六年五月十九日 「人間がいるところには、愛がある。」


 満場はふたたび拍手に包まれた。人びとがこのように拍手を惜しまなかったのは、モーリスが卓越していたからではなく、ごく平均的生徒だったからである。彼を讃えることは、すなわち自分たちを讃えることにほかならなかった。
  (E・M・フォースター『モーリス』第一部・4、片岡しのぶ訳)

 ひとをあっといわせるような効果はどれも敵をつくるものだ。人気者になるには凡庸の徒でなくてはならない。
(ワイルド『ドリアン・グレイの画像』第十七章、西村孝次訳)

ことさらに
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