詩の日めくり 二〇一六年五月一日─三十一日/田中宏輔
 

分厚ないわ。
ふううん。
俺の小学校のときのあだ名、クチビルお化けやったんや。
クチビルおバカじゃないの。
にらみつけられた。

つかみ合いのケンカは何度もしていて
顔をけってしまったことがあった。
ふたりとも柔道してたので
技の掛け合いみたいにね、笑。
でも、本気でとっくみ合いをしてたから
あんまり痛くなかったのかな
それとも、本気に近いことがよかったのか
エイジくんが笑った。
けられて笑うって変なヤツだとそのときには思ったけれど
いまだったら、わかるかな。

こんどの詩集にでてくるエイジくんのエピソード。
日記をつけてた
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