詩の日めくり 二〇一六年五月一日─三十一日/田中宏輔
てたんだけれど
捨ててしまった。
二〇一六年五月十三日 「31」
いま日知庵から帰った。奥のテーブル席に坐っていた男の子がかわいいなと思って(向かいの席には女の子がいたけど)帰りに声をかけた。「いまいくつ?」「31です。」「素数じゃん!」「えっ?」「みそひと文字で短歌だよ。三十一は短歌で使う音数だよ。」と言ったら、そうなんすかと笑って返事した。
男からも女からも好かれるような、かわいい顔をしてた。ぼくがあんな顔をして生まれていたら、きっと人生ちがってただろうな。ぼくはブサイクだから、勉強したっていうところがあるもの。まあ、ブサイクだから詩を選んだっていうことは、
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