詩の日めくり 二〇一六年五月一日─三十一日/田中宏輔
 
おもしろいん?
ええから、雪合戦しようや。

それからふたりは、真夜中に
雪つぶての応酬。

俺が住んでるとこは教えへん。
こられたら、こまるんや。
たなやん、くるやろ。
行かないよ。
くるから、教えたらへんねん。
バカじゃないの?
行かないって。

木歩って俳人に似てるね。
たなやんの目から見たら、似てるんや。
まあ、彼は貧しい俳人で、
きみみたいに建設会社の社長のどら息子やないけどね。
似てるんや。
ぼくから見てね。

姉ちゃんがひとりいる。
似てたら、こわいけど。
似てへんわ。
やっぱり唇、分厚いの?
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