詩の日めくり 二〇一六年五月一日─三十一日/田中宏輔
ちや
居酒屋の大将や
近所のスーパー大国屋のレジ係りのバイトの男の子や女の子や
買い物してるオバサンや子どもも
みんな、とりあえず、木にぶら下がってもらう。
で、顔をこちらに向けて。
やっぱ、きょとんとした感じで。
歩いてるひとは
そうね
突然飛び上がって
丸くなってもらって
空中に浮いて
そのまま、やってきてもらおうかな。
車を運転してるひとは
とりあえず、ハンドルから手を離してもらって
両手を広げて
車から透けて足をのばして
空中に舞い上がってもらって
そのままずっと上っていってもらおうかな。
ぼくは
[次のページ]
戻る 編 削 Point(14)