詩の日めくり 二〇一六年四月一日─三十一日/田中宏輔
とうに「省略しない書き方」もまぜていくことにしている。
そんなことを
いま、五条堀川のブックオフからの帰りに
自転車に乗りながら考えていた。
二〇一六年四月二十日 「拡張意識」
時間感覚が拡張されると
それまで見えていなかったものが見えるようになる。
最初は誘導剤によるものであったが、訓練することによって
誘導剤なしでも見えるようになる。
ゴーストや、ゴーストの影であるさまざまな存在物が見えるようになる。
人柱に使われているホムンクルスも、それまで見えていなかったのに
ベンチのすぐそばに瞬時に姿を現わした。
詩人は第一の訓練として、音の
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