明日、世界が終わる/そらの珊瑚
から、人間がいなくなったら消滅するんじゃないの?」
「ひとつだけ、生き延びる方法があるわ。ノアで宇宙へ飛び立つのよ」
母の頬が少女のように一瞬薔薇色に輝いた。
「母さん、ノアって、あの伝説の宇宙船のこと?」
「ノアは工場棟に実在するわ。A.Iロボット達によってメンテナンスもされてるはず。リンダ、パンケーキを食べたらノアで地球を離れなさい」
「母さんは? 母さんは一緒に行かないの?」
「私はもう死期が近い。宇宙の塵になるより、ここに残って地球の最後を見届けるわ」
「だったらあたしも行かない。ここに残る」
母は私の頬をつたわる涙を優しく指でぬぐった。
「あなたは私よ。だから離れ
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