明日、世界が終わる/そらの珊瑚
 
離れていたって、いつだって一緒。それでもさみしいなら、そうだ、ジョンを連れていけばいいわ」
「ええっ、おいら?」
「いいじゃない。どうせあなたも八咫烏の最後の一羽なんでしょ。ノアの中で、クローニングしながら生き延びることもできわよ」
「うーん、あんまし気が進まないけど……毎朝パンケーキ焼いてくれる?」
「パンケーキくらい焼けるわよね、リンダ」 
 あたしには、うなずくしか他に選択肢はないように思えた。 
 行先のない旅。
 未知なる怖ろしさが洪水のように押し寄せて、それでもノアは進む。 
 だけど宇宙のどこかの星に不時着する可能性はゼロではない。
 世界の終わりは、新しい世界の始まりにつながっている。
 
 イブの末裔は案外しぶといのだ。  
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