詩の日めくり 二〇一六年三月一日─三十一日/田中宏輔
 
れるようになっています。
化粧したら、どんな顔になるか、だいたい想像つくと思いまする。
しかし、まあ、48歳で、まだまだ、いっぱいカミング・アウトできるって
けっこう、ぼくの人生、めちゃくちゃなのかもね。
それとも、ほかのひともめちゃくちゃだけど
だまってるだけなのかなあ。
わかんないけど。
ふにゃ。
だから、ぼくが付き合った京大の学生だったエイジくんが
ぼくの部屋にはじめてきたとき
無断でパッとクローゼットをあけて
「女物の服はないな。」
と言ったのは、彼の正しい直感がさせた行為だったわけだ。
「なに言ってるの? バカじゃない。」
「女装し
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