詩の日めくり 二〇一六年三月一日─三十一日/田中宏輔
 
て、よろこんでもらえると思う。


二〇一六年三月二十二日 「形のないキャベツ」


2009年4月13日メモ

形のないキャベツ

部屋に戻ると
鼻の奥にあるスイッチを押した。
プシューッ
身体がシュルシュルと縮んだ。


2009年4月13日メモ

形は形であることを
ちっとも恥ずかしいことだとは思っていなかったのだけれども
ときどき
形であることをやめたいなと思うことはあった。
形をやめて
なにになるのかは、まったくわからなかったのだけれども。


2009年4月14日メモ

詩人の役目は
意味をなさなくさせるほ
[次のページ]
戻る   Point(15)