頭痛の小悪魔/ただのみきや
 

灰の顔が祈らずに見る
石たちの追われた限りない明日に
水飲み場は刺殺される
銀を患う日時計の財布から凝視する
ひとつの裸眼が摘み取った
カナリヤはプリズムをくぐり抜け
油紙に包まれた囁きの乾いた動き
汚れたノートから呼び起こされた恋人の
その松葉杖のない凍えは真水で耳を迷う
静かに偶然が結び解ける水槽で
錆びた革命の缶詰で舌を切った少女の
暗闇を行き来する 甘く大人びた寝息
冷たい薪を狂った髪で燃やすそれは
自己の債権者であり債務者でもある
ひとつの太陽の自主的瓦解
漂着した異国の無謬性から
白く萎えた無数の脚が伸び
透明な咽頭を探して捲る風に変わ
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