頭痛の小悪魔/
ただのみきや
変わる
飛行機のように
真っすぐ時代から遠ざかる
濡れた密約を糧として
脳天に穿たれた真白さで
全ての裸婦像を侵食する
枝垂れるような獅子の空洞が
まどろむ煙を震撼させて
届かない背中から裂けて行く
ひとつの桃の落下速度
かぎりなく引き伸ばされて
一切の説明を拒む
暗黙の悲哀――誤謬のしたたり
比喩
鳥がさえずるように
海を見ていたい
雨が踊るように
時(あなた)から失われて
《2021年4月18日》
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