博士の結論/道草次郎
つもなく大きなクレーンやブルドーザー、超高性能超優秀なロボットたちを集結させ、いそいそともう一つの古代版地球を作り上げた。場所が無かったので、地球と火星のちょうど中間地点に作った。気候の具合は適当に雲の厚さを調整して、古代の地球と完全に同一のものにした。
博士の思惑は当たり、擬似タイムトラベル観光は大成功した。各地質年代に基づき組まれた豪華観光プランがしのぎを削った。特に人気だったは大破局(カタストロフィ)前夜だ。通のあいだでは魚の初上陸が評判だった。だが、ここまで来ても博士の欲望はまだ収まらなかった。
次に博士は四十六億年前の太陽系とそっくりの、もう一つの太陽系を作ることにした。恐竜
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