博士の結論/道草次郎
 
恐竜絶滅などの呼び物は初めの頃こそ人気を集めたが、近頃はどうも下火になってきていたのだ。ならば今度はもっとスケールを大きくしてみよう、地球誕生の瞬間などは客寄せに持って来いだとそう考えたのだ。

博士の目論見は見事ヒットした。いささか狭いながらも、アルファケンタウリと太陽系のあいだの差し渡し四光年の空隙に、もう一つの擬似太陽系をこしらえたのだ。荒れ狂う原始星や雨あられと降りそそぐ隕石群、そういったものが珍し物好きな人々を興奮させた。これは大変な評判となり博士は大金持ちになった。

だが、それでも博士の欲望は尽きる事が無かった。博士は、勿論、もう一つの銀河系も作った。それも大当たりした。さら
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