未詩集2/道草次郎
 
もあるのだ
それは


「鉄道の絵本」

あたらしい
たくさんな星
まるで
気付かなかった
キラキラの星
本を閉じて
おおきく息を吸い込み
目をつむったら
そこは
誰もいない三等車だ


「ひばりはなく」

外を眺めている
なかなか
潮が満ちてくれない
いつからか
歳をとるのを待っている
きのう
寺山修司詩集を買った
兼ねてより
白亜紀末期が好きで
つまり
ぼくの必要は
ずっと発明とは異婚のままだ

山の稜線には
心を歩かせてやる
と、眼がビルに触れ
言葉の足踏みがきこえる
眼は
メタセコイアの梢に
腰を掛けたがる

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