ぼくの脳髄はカンシャクのステップを踏む/藤原 実
 
の世界である。


言葉のない世界を発見するのだ 言葉をつかって
真昼の球体を 正午の詩を
おれは垂直的人間
おれは水平的人間にとどまるわけにはいかない

          (田村隆一『言葉のない世界』)


しかし、垂直的人間にとどまるのもまた抽象的人間にすぎないのではないだろうか。

絶対の詩をもとめてウロツき、あらゆるものを食らう。この水平的イヌに仏性アリやナシや?

水平的イヌよ、ぼくは「一本の針でおまえの瞼を縫いあわせ、世界の風景をうばい去り、自分の途を見出すこともできなく(ロートレアモン『マルドロールの歌』/栗田勇訳)」して無の谷にオマエをつき
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