ぼくの脳髄はカンシャクのステップを踏む/藤原 実
 
まちじぶん自身から墜落して彼方に遠ざかってしまう。そんなコトバとじぶんとの乖離。それでも詩人は口を開かずにはいられない。

そんな自殺行為を何のために?
理由なんてないだろう。コトバの移り気、不誠実さを承知のうえで、それでもコトバとじぶんがわかちがたく結びついているという意識を断ち切ることができない。それは詩人の原罪なのにちがいない。


        『判決が先で、罪は後』


じぶんの外部にあるコトバを積み重ねるのが詩ではない。じぶんをコトバのなかに投げ入れてじぶん自身を「言語的に切断する」行為が詩である。
それから詩人は「わたし」の断片を拾い集めてジグソーパズルのように
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