常にこめかみにあてられた銃口が囁いている/ホロウ・シカエルボク
 
う信じていたような気がする、だから俺は朝が嫌いだった、おそらくはすべてを知る前に喰われたかったのだ、でも今もこうして寝床の中でそれを見上げている、宿命、運命ー名はどうでもいいがーそんなものを知っている連中はやつらの好物ではないのだ、やつらにとっては自我ははらわたのようなもので、喰ってももの凄く苦くて吐き出してしまうような代物なのだ、だから今もこうして寝床の中でそれを見上げている、もしかしたらそれは本当は天井でもあるいはそれに似たなにかでもなく、もっと違う、なんらかの意志のようなものなのかもしれない、俺が見ていたのはきっとその蠢きなのだ、仰向けになって天井を眺めていると、小さな灯りの届かない隅の方で
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