詩の日めくり 二〇一五年十三月一日─三十一日/田中宏輔
 
ミーちゃんと、えいちゃんと、牧野十寸穂さんのおかげでつくれたのだと思った。ひととつながっていなければ、ひととかかわっていなければ、ぼくの作品のほとんどすべての作品はつくれなかった。全行引用詩でさえそうだ。孤独がすぐれた作品をつくるとリルケは書いていた。ぼくもそう思っていたけれど、どうやら、それは完全な錯誤であったようだ。ギャオで「あしたのパスタはアルデンテ」を見てる。ゲイだからって、どってことないっしょ? って感じの映画かな。人生は滑稽な芝居だ。ぼくのママも(実母も、継母も)ぼくがゲイだって言っても、信じなかった。父親はわかってくれていたようだが、母親たちは信じなかった。そんなものかもしれない。
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