詩の日めくり 二〇一五年十三月一日─三十一日/田中宏輔
川の向こう側の河川敷に
暮れかけた空の色のほうが
なんだか、かなしい。
二〇一五年十三月十二日 「あるスポンジタオルの悲哀」
わたしはいや。
もういや。
シワだらけのジジイの股間に
なんで、顔をつっこまなけりゃいけないの。
もういや。
ジジイは、わたしの身体を
つぎつぎ
自分の汚れた身体になすりつけていくのよ。
もういや。
死んでしまいたい。
はやく傷んで
ゴミ箱に捨てられたい。
二〇一五年十三月十三日 「洗濯機の夢。」
洗濯機も夢を見るんだろうか。
いっつも汚い
ヨゴレモノを口に突っこまれて
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