詩の日めくり 二〇一五年十三月一日─三十一日/田中宏輔
 
っかり変わってるっていうのかな、まるで新しく生まれてきたように感じることだってあるんじゃないかな。ぼくがそう感じるから、そう言うんだけどさ。それはとても幸せなことさ。


二〇一五年十三月十一日 「自動カメラ」


ヒロくんが
自動カメラをセットして
ぼくの横にすわって
ニコ。
ぼくの横腹をもって
ぼくの身体を抱き寄せて
フラッシュがまぶしくって
終わったら、ヒロくんが顔を寄せてきた
ぼくは立ち上ろうとした
ヒロくんは人前でも平気でキッスするから

イノセント
なにもかもがイノセントだった

写真に写っているふたりよりも
賀茂川の
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