詩の日めくり 二〇一五年十三月一日─三十一日/田中宏輔
オノマトペの採集作業が退屈なものになってきたので、中断することにした。モダニストの詩だけから抽出したのだけれど、むかしの詩人はオノマトペを多用しなかったようだ。いまの詩人は、金子鉄夫を筆頭に積極的に多用する詩人もいるのだけれど。ぼくも使うほうかな。
二〇一五年十三月十日 「ぼくは言葉なんだ。とても幸せなことなんだ。」
ぼくは言葉なんだけど、ほかの言葉といっしょに、ぎゅーぎゅー詰めにされることがある。たくさんの言葉の意味に拘束されて、ぼくの意味が狭くなる。まばらな場所にぽつんと置かれることもある。隣の言葉がなんて意味かわからないほど遠くに置かれることもある。ぼく自身の意味もぼく
[次のページ]
戻る 編 削 Point(16)