世界と時間に対する一つのアプローチ/朧月夜
 
時間軸を接点として、一つの「形」であることを保つことが出来るわけです。一脚の椅子は、このように「椅子それ自体」としても一つの機能を持っていますが、それに触れていく私たちにとってもそれぞれ別個な一つの機能を有しています。その椅子に座った人には座った人にとっての、見たり触れたりするだけで座らなかった人にとってはそれなりの、一つの機能、すなわちファンクションをその椅子は持っています。一脚の椅子を感覚しているとき、私たちはこのように「時間」という共有の性質をそこに含めることで、直接的には同一であることを示せない椅子に対して、微分可能な唯一の機能や様相を持たせることが可能になります。そこに座る人にとっては家
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