コミュニケーションと詩/朧月夜
 
る時だと言えます。理性では処しきれないもの、というのが自然の中にも社会の中にも多くあるからです。むしろ、そのほとんどが理性では処理しきれないものだとも言えます。
 詩は、近い読者、あるいは遠い読者との対話です。それと同時に、自分自身との対話でもあります(人は自分の中に様々な他者を思い描くものだ、ということを想起してください)。誰に向かって何を伝えようとしているのか、ということも考えながら詩や言葉を読んでいくとき、その作品からは、表面的な意味以上のものも読み取れてくるのではないでしょうか。
 もちろん、それを理性では解きほぐせない場合もあります。その場合には、温かく包み込むように読んでいく必要が
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