コミュニケーションと詩/朧月夜
 
要があります。詩を読む、ということもやはりコミュニケーションの一つなのです。言葉に触れれば、そこには必然的に何らかの思いや感情が生まれてきます。書き手にとっては、読者が何を感じるのか、ということも考えておかなくてはいけない所以です。
 作者がどのような世界や人間を見、どう接し、どう触れていって、どう濾過したか、その結晶こそが作品の真価だと言えます。ただ、美しい言葉を産むために孤独を選ぶ人間が平凡だとすると、幾人かの詩人は価値のないものになってしまいます。そこが文学の不思議なところだとも言えます。ボードレールなどは、群衆の中にあって孤独を求めた人間です(比喩として表現すれば、ボードレールは、群衆の
[次のページ]
戻る   Point(2)