淫雨/あらい
ど程よい小春のように調べばかりは粛々と花を咲かせ
みみっちいだけの私から、あなたへとうつり変わる
実りの秋。
きっと幾度も とつきとうかが過ぎようとしていて。
一閃の微睡み永遠に酔い 野垂れ死ぬまま愛で生ければと思い込む
コウノトリたちの泪を酌む。
けれど今でもどうあってもそぐわない気がして居ても立っても織られぬ、
ほつれた翼を棄てこの足でこの腕で掻き潰してきた
己自身を鏡うつしてしまえば、
やはりミダグナシ、
戻りたくもない、
ウツロギな襤褸に身を寄せてしまったのだと、
つくづく
このキタナラシイ亙り。
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