淫雨/あらい
 
が庇を転がり落ちて、行先の川を溢れさせていた。
 然し地肌はまるで変わらずしろがねを纏う
 眦から零れた絖りを妨げ、越えられない境界線を創り出す。
 なんとも癒えぬ絆の後よ

そう、母よ 姉よ 吾ら御霊よ。
 これが箒星の欠片なのかもしれぬ。
  悴む塊 鋭利なその奥の芯は 長い旅を終えて 魂動を解き放してなお
この手の中で僅か救ったのだ
    探し充てた ような気はするのだが ただのいしころにすぎないのか

  これは溜息や泪を描けば それもまた甘く虹色の星屑に成り下がる
 胆略化された遺漏、磨かれた宝石と可愛らしくヤラしい被虐を誘い、
堕ちゆくまま
虚ろ瞼を拡げ
[次のページ]
戻る   Point(2)