嘘つきプラクティス/月夜乃海花
 
してみた
一人ぼっちの静かな夜に
何故かひとり安堵していた

「ねぇ、本当に大丈夫?」
「なんか辛いとかないの?」
そんなこと聞かないでよ
気づきたくないこともあるでしょ?
「どうしてそんなにいつも笑うの?」
「だって泣いても誰も気づかないくせに。」

私は今日も嘘をつく
「笑っていたらきっと幸せになれるから!」
そんなことを言いながら本当はそれも嘘だと気づいてる
「そんなに笑わなくていいのに」
どうして私を否定するの?
「私は今日も元気です!」
ねぇ、私は今日も元気、だよ?

暗い部屋の中
鏡の自分がひとり、ひとり
問いかけてきた
「貴方は一体誰ですか
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