ついーと小詩集3/道草次郎
 
めて泥棒を待つ

ぼくは奈落の底
星を見上げて恋をする

ぼくは獣の牙
肉でも摩耗してしまう

ぼくはハナクソ
鼻腔に暮らして幾星霜



「太陽系家族」

水星にとっての太陽は頬を張る虐待者に違いなく
金星にとっての太陽は鬱屈とした暴君
地球にとっての太陽は知っての通り信仰の対象ですらあり
火星にとっての太陽は有難いけど物足りない友達で
木星にとっての太陽は故郷に居る頑固おやじみたいなもの
土星にとっての太陽は輪っかをくれたけれどもどこか遠い存在
天王星にとっての太陽は余りにか細いつながりのどこぞの親類ならば
海王星にとっての太陽はもはや永遠のネグレク
[次のページ]
戻る   Point(3)