ついーと小詩集3/道草次郎
 
レクター



「普遍さん」

肩を叩かれ振り向くと
普遍さんが立っていた
貫きたがりな奴だ
いつも顔を顰めてやがる



「終末期の地球」

燐寸を擦ると
燐光一つ分の銀河が
またひとつしぼむ

白んだ夜明けを
かいくぐる骸骨の群れは
どこまでも透明だ

地衣類と結託した
カラスノエンドウが
随時生成する語弊

疲れ切った猿たちは
ほら
オゾンのソファーに身を沈め
黄昏を待っている



「アフリカまで」

アフリカまで
走れ

雲をおいかける雲
とくべつえらくもない草原

そこにはある


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