2011年の詩から/ナンモナイデス
 


水のにおいが好きなんです。
古池で魚を釣って遊んでいました。そう、あの時・・・
あの水の匂いが忘れられないのです。

水のにおいが好きなんです。
虹が見える、梅雨の晴れ間のあの霧の
あの水の匂いが忘れられないのです。

水のにおいが好きなんです。
あなたに逢えたあの日の涙で見えなくなった風景の
あの水の匂いが忘れられないのです。





≪被災地の浜辺には海風が騒いでいる≫
≪亡くなった人々の呻き声の様に≫






遺服


遺体が着ていた
衣服や下着を洗うと

たらいの底には
砂がたまる

洗っても
洗っても
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