詩の日めくり 二〇一五年九月一日─三十一日/田中宏輔
 
フ『言葉』秋草俊一郎訳)というのがあって、ここは、ヘッセの『シッダールタ』のさいごの場面からとってきたのだなと思われた。偉大な作家も、習作時代は、他の詩人や作家の影響がもろに出るのだなと思われた。ホフマンスタールを読んでいるかのような気がした。ナボコフはドイツ文学が好きだったのかな。いま読んだ2篇とも、描写に同性愛的な傾向が見られるのも、そのせいかもしれない。ホフマンスタールがゲイだったかどうかは知らない。ただホフマンスタールの書くものがゲイ・テイストにあふれているような気がするだけだけれど。まあ、ドイツ系の作家って、ゲーテみたいに、バイセクシャルっぽい詩人や作家もいる。ゲオルゲはたしかゲイだった
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