詩の日めくり 二〇一五年八月一日─三十一日/田中宏輔
 

わっと部屋のなかに入ってきた
詩人はあわてて窓を閉めると
詩人は「言葉キラー!」を
下に向けて
軽く振り撒いた
これで今晩はゆっくり眠れるかな
などと思ったのだけれど
詩人は用心のために
睡眠誘導剤を飲んで床に就いたのであった
じゃんじゃん


二〇一五年八月二十八日 「逃げ出した言葉たち。」


もう好きにすれば
詩人は言葉たちに一瞥をくれた
逃げ出した言葉たちは
詩人がもう自分たちを使わないことを知って
詩人の枕元にあつまって
手に手を取り合って
輪になって
踊っていたのであった
らんら
らんら
ら〜
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