リビドー/にょすけ
 
 
 膨らむ下半身は、
 香るシガレットの残像を
 この毛布に遺して
 朝が来る度に
 君を抱く妄想をする。
 君の形にこねた布団が、
 二の腕を潰しても
 そこに重力はなく
 君は宇宙になってしまったと
 何も無い空虚を撫でるのだ。
 爆ぜてしまえ、こんな朝。
 膨らむ下半身は、この時だけ。
 この時だけだ。
  
  
 「不眠」
  
 手く眠ることの出来ない朝を何度迎えたことだろうか。
 幸い今日は、罵倒されること無く眼を覚ますことが
 出来たような気もするが、夢なんて物はただただ覚えていないというだけで、
 本当はその罵倒されている自分というもの
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