点火/すいせい
 
しいね捻り潰して原稿用紙を染める。詩語を殺して腹を割いた、赤く赤く、沈んでいく炎のような

葉をしずり?
落ちてゆく雪の
なんと重い音か
生え揃ったばかりの
歯から零れる
声を読む
つみかさなったあわいを
伝わるしずく
それを暗喩する

本に指を挟んで?
その熱を感じる
死の模倣から
解き放たれた羽根が
肩にとまり
窓の外のに拡がる
弾け飛んだ光の針
「食ったのですね
過去は現前する
すり減った言葉によって

凍りついた?
唇の隙間から
もし風を生むのであれば
杖のさきに闇を叩く
従者の恭しさで迎えよう
窓を開けて
寒さに
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