詩の日めくり 二〇一五年七月一日─三十一日/田中宏輔
わる。
二〇一五年七月七日 「月。」
月は夜
ぽつんとひとり
瞬いている。
だから
ぼくもひとり
見つめてあげる。
二〇一五年七月八日 「帽子。」
その帽子は、とっても大きかったから
ふわっと、かぶると、帽子だけになっちゃった。
二〇一五年七月九日 「風車。」
風を食らうのが、おいらの仕事だった。
うんと食らって、籾を搗くのが、おいらの仕事だった。
だれか、おいらの腕を、つないでくれねえかな。
そしたら、また働いてやれんのになあ。
二〇一五年七月十日 「3高。」
「そうね、結婚するんだったら、
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