詩の日めくり 二〇一五年七月一日─三十一日/田中宏輔
 
臭気を放つ、
鼻を曲げる、
おまるからこぼれる。

きばっていた時に、
これが食堂にいるみんなに、
興を添えたこともある、
みつばのおしたしを食ってた時もあった、
と思えばなんとも可笑しい。

ホラホラ、これがわしのうんち──
捨ててくれるのはいつ? 可笑しなことだ。
あふれ出るまで待って、
また、うんちたれだと言って、
なじるのかしら?

そして裏手の疎水べりに、
あの大型ゴミ捨て場に
捨てられるのは、──わし?
ちょうど尻たぶの高さに、
うんちがひたひたにたっしている。


二〇一五年七月三十日 「遺伝。」


  会田綱雄先生、ごめんなちゃ
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